親しい人が自死したことにより、大変な辛さを感じているが、家族や他人にこの辛さを言えない、話す意欲すらない。ただ、言葉にできないことにより心の重しが強まっていることも分かっている。
そんな方は、Twitterを使って心の内を吐き出してみるのも手です。
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Twitterのすすめ
自死遺族にとって、Twitterの良い点を以下でご説明します。
140字の短文投稿=ブログを書くほどのエネルギーがいらない
Twitterのメリットは全角140字という短さです。
自死遺族となってから、自分が感じること、辛さ、苦しさ、後悔などをまとめてブログに書きたい、胸の内をさらけ出したいという方は少なくありません。
しかし、自死遺族となったことによる辛さがあまりに大きいため、感じたことを網羅的に長文で書くだけのエネルギーを持てない方が多いのです。
しかし、Twitterは最大でも全角140字です。少ない文字数で投稿しても問題ありませんし、「辛い」という一言だけでもいいのです。
エネルギーが消耗しているときに、たくさんのエネルギーを使わずに投稿ができるのは、Twitterの大きな強みです。
スマホから利用可能=どんな姿勢でも利用できる
自死遺族の方が、肉体的、精神的に疲れ果てていて、ベッドに横になっていても、スマホからTwitterで投稿できるのがよいところです。
どのような状況でも、どのような姿勢でも、思いを吐き出したい、誰か見知らぬ人が読んでもらいたい。そう思ったときに最小限のエネルギーでも使えます。
これに対して、ブログは長文になるほどパソコンで入力する方が多いので、起き上がった姿勢でパソコンに向き合わねばなりません。
Twitterと比べると、若干ハードルが高いです。
匿名性が守られる
そして、Twitterが良いのは匿名であることです。
匿名だからこそ、誰に気兼ねすることなく心の中の感情をそのまま出すことができます。家族、友人、知人、親戚などの目を気にすることはありません。
自死遺族となってからは、周囲にどれくらいの深さで自死についての話をすればよいか迷ってしまう方はとても多いです。そして、こうした迷いを持つこと自体も自死遺族を苦しめる材料になってしまいます。
Twitterであれば、誰に気にすることなく、自分の心の赴くままに投稿できます。それが倫理的に反していることであっても、とがめられることはまずありません。
他のユーザーとの交流
Twitterで自死に関連するキーワードを探せば、同じ自死遺族としての辛さを持っている方が大勢います。そして、ほとんどの方は匿名で投稿しています。
Twitterで似た境遇にいる人を見かけると、「自分は今、近しい人を失ってとても辛い思いをしているが、辛い思いをしているのは自分だけではない」ということを。実感を持って理解することができます。
もちろん、自分以外にそうした辛さと共に生きている人が大勢いることは分かっています。しかし、日々の苦しみ、辛さを切々と投稿する方がいるからこそ、「自分は一人ではない」「自分だけが苦しんでいるわけではない」と思えるのです。
また、自分の投稿に対して、他の自死遺族から反応があることもあります。そうすることで、人生でこれまで一度も接点がなく、一度もあったことがない、そして今後も会うことがないだろう人たちと、励まし合うことができます。
自死遺族がTwitterを使う注意点
自死遺族がTwitterを利用する上で注意しなければならないのは2点です。
言葉の暴力を受ける可能性がある
Twitter上には、例えば「自死遺族」といったキーワードで検索して、見知らぬ人に対してけんかを売るような言葉を投稿するユーザーもいます。
こうしたユーザーがいるから、言葉の暴力を受けるのが怖いから、Twitterを利用したくないという方も多いかと思います。
これを防ぐには、アカウントを鍵をかける(承認しないと投稿内容を見られなくする)方法がありますが、これだとほとんど交流できません。
よって、交流もしつつ、言葉の暴力を最小限にする現実的な方法は、「暴言を吐かれたら、すぐに攻撃的なアカウントをブロックする」です。
暴言を受ける可能性があるのは残念ですが、「自死遺族」というキーワードで活発に攻撃的になるアカウントはほぼいません。
ほとんどのユーザーは、自分の辛さを語りたい、辛さを共有できる人たちと匿名で交流したい、というものです。
特定のユーザーに依存してしまう
自分と同じ境遇だった、頻繁にレスをくれる、投稿内容がよく共感できる。
こうしたユーザーに対して一方的に入れこんでしまう、別な言い方をすると「依存してしまう」「幻想を見てしまう」方がいます。
特定のユーザーのコメントに頻繁に返信したり、コメントを求めたり、直接会うことを要求する、DM(メッセージ機能)を何度も送ったりすると、相手は不快感を感じる場合があります。
そして、不快感を感じた相手はあなたをブロックする可能性すらあります。
信頼できる人だと一方的に思っていたが、ブロックされたりすると非常に悲しく成ったり、精神的に不安定になる。また「裏切られた」という感情が出て、怒りが表出することもあります。
他のユーザーとは、近すぎず、遠すぎずの距離感を保つ
Twitterを利用している自死遺族の方を拝見すると、あくまで「自分の辛さを出す場所」として使っている方が多いです。
他の自死遺族の交流よりも先に、自分の辛さを出す場所として価値を見出しています。
ゆえに、Twitter自体、他のユーザーとよい距離感を持って利用されているなと思うことが多いです。
また、「自分の発言に対して返信を求めない」「特定の人に対してばかりコメントしない」「意見が違う人がいても反論せずスルーできている」方が多いと感じます。
これまでTwitterを利用されてこなかった方は、まずは自分の思いを出す場として使い、それから徐々に他の自死遺族の意見を確認したり、コメントしていくのがよいかと思います。
Twitterが、多くの自死遺族のとって、少しでも辛さを癒すツールとなることを祈っております。